「奈落の偶像」麻美和史 講談社文庫

ずいぶん読書量が減った。

目が悪くなった?
根を詰めてすることがシンドクなった?
確かに、あり得る。

なので書店で新刊書を眺めていても、ワクワク感は以前ほどもなし。
好きな作家があまりいないってこともあり・・・

選択は保守的となり、どうも新しい分野、作家には触手が動かない。
で、手固くこの作家のこのシリーズを選択。



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「奈落の偶像 警視庁殺人分析班」というのが正式なタイトルだ。
捜査一課の第一線に女性の視点を取り入れる~という試みで異動した主人公の女性捜査官。
父も警視庁で、広義の殉職とでもいうべき亡くなり方をしている。
だから、小柄でフツーの女性である主人公は、贔屓されているとか言われることも多い。

以前は、所轄の女性警察官にそのようなことを言われたこともあったけど、その反応ごくフツー。
しかし、相棒である切れ者の警部補の推理に(なんだかイギリスの探偵ものみたいな)、ここぞというときに違ったアイデアをだす。
捜査チームの方針に貢献する。
それが何となく面白いのである。

この小説も、一見猟奇的犯罪だが、実は、すごく古典的な犯罪者心理だ。
「そうか、こうくるか」と犯罪者の心理に納得(?)できる小説でないと、なんとなくおさまりが悪い。
ああ、こんなところでも、読み手としての高齢化を実感する。ウ~ム。

ラグビーワールドカップ、もうすぐ!

ラグビーワールドカップの日本開催が決まった当時は、古くからのファンである私たち夫婦の感想は「ちょっと無理じゃない?」
前回の南ア戦とその後の一時的人気をみても「でも、大会運営は無理じゃない?」と悲観的な反応だった。

今年初めのチケット販売の頃は、寄る年波で体調不良もあった夫も私も「見に行きたいけど、無理っぽいかな?」と消極的。
とりあえずチケット挑戦したものの、大変な入手困難で・・・しかし、これで逆に「見に行きたい!」気分が高揚!
キャッチコピーでは「大会は4年に一度、でも(日本開催は)一生に一度」とか~うん、なるほど!
頑張って頑張って・・・第3希望あたりの神戸での南アフリカとカナダの試合がとれました。


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チケット順次発送のニュースが流れてからは、毎日「発送完了」メールを待ちわびても、なかなか届かず。
忙しくしていてメールチエックを怠っていると突然の配送の「ピンポーン!」が。
「ウワッ、きた!」
孫パワーに押され気味の夏バテのヨレヨレのジジババの背筋がピーンと伸びた瞬間でした。

話にはきいていたものの、確かにきれいな和風デザインのチケットとチケットケース。
海外からの観客には好評なんだろうな。



そこで勢いずいて、再度、いや4回目のチケット販売にも挑戦すると・・・なんと第1希望だった花園球技場での試合が取れました。
知人がいるので、夫も息子も旅行したことがあり、大好きな国、大好きなチームのフィージーとグルジアの試合です。

ずいぶん前のジャージーを持っている夫は出してきて「これ着て応援に行こうか?」
息子は、(フィージーのヒーローである)「セルヴィのサインがあるTシャツがあるよ!」と。

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私としては、好きなチームであるオーストラリアが調子を上げてきたのが嬉しいニュース。

もちろんジャパンも・・・最終は誰が残るのだろう?
気の毒にこの時期に大けがで出場を逃す選手も各国にあるかと思えば、カムバック組もいて「よかったね!」と喜ぶ私。
オリンピックもそうですが、人生運不運もあるのでしょう。


さて、南アフリカの最近のメンバーもチャンピオンシップでチエック・・・ふむ、スパーラグビーではこの選手は見逃した、とか。
聞きなれた国歌も復習ずみ。
さすがにカナダは知らない選手ばかり・・・「ヒラヤマ」という日系選手も長い間活躍していたけれど。
今は夏バテ状態の老人夫婦ですが、来月からはシャンとして応援に行く予定!!!

足が悪く、急こう配の階段で大観衆の人波もまれるのは心配ながらも・・・「杖を振り回して歩くわ!」と鼻息荒い私です。

「水曜日の凱歌」 乃南アサ 新潮文庫

乃南アサは好きな女性作家のひとりであるが、しばらく読んでいなかった。
新刊案内にはマメに目を通しているのだが、この本の出版は知らなかった・・・文庫の初版は平成30年だが、一般書としては平成27年7月に出ている。

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これは小説。
この史実を扱ったノンフィクションは、「敗者の贈物」という題でドウス雅代が書いているのを読んだ。
後に「「マッカーサーの二つの帽子」と改題されたが、どうしてだろう?
「敗者の贈物 国策慰安婦をめぐる占領下秘史」というのが正式なタイトルだが、まさしくそのタイトル通りの策であったのに。

終戦直後、占領軍の進駐に伴う「日本の婦女子の純潔を守るため」、防波堤として性産業の人物などが中心となり兵士専用の売春宿を国策としてひらき歓待して、一般婦女子を性犯罪から守ろうというもの・・・まさしく「敗者の贈物」である。
うろ覚えの記憶では、過去ドイツなどの敗戦国では、そういうものはなかったとか。

唐人お吉の時代の発想と同じというわけだろうか。
ただし、この策は、性病の蔓延によりGHQから廃止を命令されている。

その史実を小説として書かれたものだが、主人公の環境は少し違う。
男装することで身を守らされた裕福な家の娘が主人公。
裕福でやさしい両親と兄弟に囲まれて生活していた主人公だが、父は事故死、兄たちは戦死、姉や妹は焼死して、母と二人が残る。

娘には優しかった父だが、夫としては妻を支配するタイプだった。
勉強好き、それも英語が堪能だった(戦前に女学校で教育をうけた)母は、まず父の友人の援助をえて進駐軍の特殊慰安施設で通訳として働き始める。
水を得た魚のように、英語を駆使しその組織の中で管理担当としての能力を発揮しだす母。

日本人である父の友人から、GHQの高級将校へとパトロンを変えつつ生活のステップアップを図る。
娘には「生活力を付けるため」寄宿舎付きの女学校への進学を画策する。
それは愛人との生活のために、娘を追い出すため~と、娘は反発する。

ノンフィクションと小説とでは、視点が違うのは当たり前。
だが、著者の年齢や時代が、同じ時代を描いてもこうも違うのかな~と、思いながら読んだ。

ドウス雅代は、現在は80歳くらいか?1970年代の作品だった。
一方乃南アサは、50代後半? 
もともとエキセントリックな主張はしないタイプだし・・・