「嵯峨野花譜」葉室麟 文芸春秋

関西は梅雨入り。
庭のアジサイが元気だ。

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世の中、少し動き出した。
我が家の前の道も、通勤客や学生の姿を見ることが多くなりホッとする。

北大阪に住む私たちにとっては「万博公園の太陽の塔が、また赤や黄色が点灯しないように!」というのが願いだ。



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葉室麟は、2年前に亡くなったが、いまだに作家仲間からの惜しむ声が頻繁にでているように思える。
きっと人柄が良かったのだろう。

葉室麟は、よく本を回してくれるOちゃんが好きな作家のひとりだ。
当時、葉室麟を知らなかった私に「どう?」と渡してくれた。
すっかり気に入ると(どの本だったかなぁ?)「やっぱりあなたの好みの本だよね」と数冊続けて紹介してくれた。

すっきりした文章と、感情移入が過剰でない(洒落ではありません)ところが、好きな点である。
凛とした空気感を醸し出す短編が多いので、著者名を「葉室凛」だと誤解していたのは、私のいつもの早とちりのクセである。


この本は、時代は江戸幕閣に水野忠邦(重要な登場人物の一人)がいたころ、京都の大徳寺が舞台である。
華道は、六角堂でもともと仏にそなえられる立花が初めだそうだ。
なので、ここは池坊流とは呼ばないそうだ。(他の流派は〇〇流と名がつく)


主人公は、大覚寺で修業中の少年僧、ただしいわくつきの出生である。

季節の変化と、それにふさわしい花と、それに向き合う少年の成長とが織りなす短編集である。

ひとつだけ、引っかかった作品がある。

主人公を逆恨みから誘拐する女性が登場する。
漆黒の闇のなかに閉じ込め、花や花器を見せないでいけることを要求する。
花器の触感から色を推測できた主人公は、花の香に色も推測する。
後でわかるのは、花はクチナシ。
クチナシの香りの強さから、何の花かわかるだろうに~とは、唯一感じた不満である。

我ながら嫌味な読者と思いつつ~でも気になって仕方ない。

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