「火定」 澤田瞳子 PHP研究所

好きな作家である澤田瞳子が、直木賞にノミネートされたのがこの作品。
何回も書店で手にしてパラパラ読んだものの「文庫になってから買おう」と言い訳して買い控えていた作品でもある。


KIMG1046火定.JPG


なぜ、その時に買わなかったか~理由は、ネットで買って手元に届いてから思い出した。
想像以上に重かったのである。

出版当時「絶対近い将来にくるパンデミックを想起させる作品」と騒がれていた。
瞳子先生(と私は呼んでいる)の主な研究舞台である奈良時代(作家の前は研究者)なので、きっと読みごたえがある~と思いつつ買わなかった。

文章教室の先生は、ずっと以前から「絶対にパンデミックは起こります!多分中国由来で」と、毎回のように言われていた。
なんとなく嫌な気持ちで聞いていた、わかっているけど真剣に考えたくなかった。

コロナのこの時期に読むべき本として、様々なところで紹介されると、たまらずに買った。
買って読み始めて思い出したのである、その内容の重さを。


瞳子先生のツイッターでは、作品中のそれぞれの立場の登場人物が、現在の医療者や為政者や宗教者などと同じ発言や同じ行動をとっていることに、書いた本人が驚いた~と書かれた。
人間は進歩しているのではない、ということだろうかな。

興味があって買ったのだが、数ページ読むと口実を設けては中断しながらの読書になった。
引き込まれないのではない、その逆だ。
私は小心者なので、息苦しくなって怖くなって、人間の本性を見せつけられるようで、たまらなくなるのだ。

でも、直木賞にノミネートされるだけの素晴らしい作品だと思う。
今日のコロナを予想していたかのような迫力に、出版当時はさぞインパクトがあっただろうなと思う。



久々に近くの書店まで足を運んだ(文字通りon foot、歩いて)カミュの「ペスト」が平積みされていた。
先日はNHKの「100分で読む名作」で「ペストが」取り上げられていたことを聞き、再放送を見た。
う~ん。
これも読みごたえがある作品だ…はるか昔に読んだはずだが、すっかり忘れている。

3年ほど前の放送なので(もちろんコロナ前)、もっぱら東北の震災との比較で話されていたが。
あたり前の日常が、日常でなくなる不条理の世界。
人々の生活の仕方、文学、音楽、世界中で変わっていくのだろうな。


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